「エンジニアを採用したいが応募が来ない」「システムの更新に向けて、まずは外部の力を借りたい」。地方の企業ほど、IT人材の確保は大きな課題です。富山・北陸でも、正社員の採用だけで必要なエンジニアをそろえるのは簡単ではありません。
そこで選択肢になるのがSESです。ただ、はじめての発注では「何を伝えればいいのか」「どこを確認すればいいのか」が分かりにくいもの。この記事では、依頼前に決めておく7項目と、SES会社選び・面談・契約で確認したいポイントをチェックリスト形式でまとめます。
この記事のポイント
- 依頼前に「業務内容・スキル・期間・人数・稼働場所・予算・社内の窓口」の7項目を整理する
- SES会社は、ヒアリングの丁寧さと参画後のフォロー体制で選ぶ
- 契約では業務範囲・精算条件・契約期間と更新の方法を必ず確認する
依頼前に決める7項目
すべてを完璧に決める必要はありません。ただ、次の7項目が整理できているほど、SES会社からの提案の精度が上がり、ミスマッチが減ります。
1. 業務内容
「何のシステムの、どの工程を担当してほしいか」を書き出します。新規開発なのか、既存システムの保守・改修なのか、運用・監視なのかで、合うエンジニアは大きく変わります。
2. 必要なスキル
使っている言語やフレームワーク、クラウド、データベースなどを挙げます。そのうえで「必須」と「あれば尚可」を分けておくと、候補者の幅が広がります。条件を盛り込みすぎると、該当者が見つからなかったり、単価が上がったりするので注意しましょう。
3. 期間
開始希望日と、おおよその期間(3か月、半年、長期など)を決めます。SESの契約は1〜3か月ごとの更新が多く、状況に応じて延長・終了を判断できます。
4. 人数・体制
1名で足りるのか、リーダーを含めたチームが必要なのかを考えます。複数名の場合は、SES企業側のリーダーがいると指示系統が整理しやすくなります。
5. 稼働場所と勤務形態
常駐かリモートか、その組み合わせか。常駐の場合は勤務地と、セキュリティ上リモートが難しい業務があるかも伝えます。リモートを認めると、県外のエンジニアも候補に入れられます。
6. 予算
月額でどのくらいまで出せるかの目安を決めます。予算と求めるスキルのバランスが合っていないと、提案が出てこないこともあるため、遠慮せずSES会社に相場感を聞いてみましょう。
7. 社内の窓口
SES企業の責任者とやり取りする社内の担当者を決めておきます。SESではエンジニアに直接指示を出せないため、窓口が決まっていないと、現場から直接指示が出てしまい偽装請負のリスクが生まれます(詳しくはSESで偽装請負にならないために)。
SES会社の選び方
- ヒアリングが丁寧か:スキル条件だけでなく、業務の背景やチームの状況まで聞いてくれるか。
- 提案の根拠を説明できるか:なぜこのエンジニアを推すのか、具体的に説明があるか。
- 参画後のフォロー体制:定期的な面談や状況確認があるか。問題が起きたときの連絡先が明確か。
- 契約の説明が明確か:準委任契約であることや指揮命令の扱いを、きちんと説明してくれるか。
- 連絡のとりやすさ:常駐案件なら、必要なときに担当者が顔を出せる距離かどうかも大切です。
面談で確認すること
参画前には、エンジニアとの面談(顔合わせ)の場を設けるのが一般的です。スキルシートだけでは分からない点を確認しましょう。
- 似た業務・似た規模のプロジェクト経験があるか
- 使っている技術の実務経験の長さと、担当した工程
- 不明点があったときに、自分から確認・報告できるか
- 稼働開始日、常駐やリモートの条件に問題がないか
なお、面談はあくまでスキルや業務の適合を確認する場です。年齢や家族構成など、業務に関係のない個人的なことを聞くのは避けましょう。
契約で確認すること
- 契約形態:準委任契約(SES)であること
- 業務範囲:担当する業務が具体的に書かれているか
- 月額単価と精算幅:たとえば月140〜180時間など、超過・控除の計算方法
- 契約期間と更新の方法:更新・終了を何日前までに伝えるか
- 報告の方法:作業報告書や稼働時間の報告の形式と頻度
- 秘密保持・情報セキュリティ:持ち出し禁止の情報やPC・アカウントの扱い
SES・派遣・請負の違いや精算の考え方は、SESとは?派遣・請負との違いで詳しく解説しています。
富山・北陸の企業がSESを活用するコツ
常駐とリモートを組み合わせる
すべてを常駐にこだわると、候補者が地元在住の方に限られます。定例会議や立ち上げ時だけ出社し、それ以外はリモート、という形にすると選択肢が大きく広がります。
「採用までのつなぎ」としても使う
正社員の採用が決まるまでの間だけSESで体制を補う、という使い方もあります。期間を区切って契約できるのがSESの強みです。
社内にノウハウを残す
契約が終わってもシステムを運用し続けられるよう、手順書や設計書の作成を業務範囲に含めておくと安心です。
まとめ
SESの発注は、依頼前の7項目(業務内容・スキル・期間・人数・稼働場所・予算・社内の窓口)を整理することから始まります。すべてが決まっていなくても、SES会社と話しながら固めていけば大丈夫です。
株式会社ビズカレッジは、富山県を拠点にSESでエンジニアの技術支援を行っています。「まだ要件がまとまっていない」という段階からのご相談にも対応してきました。
※現在、新規のご相談・お問い合わせの受付は停止しております。
本記事は一般的な情報の提供を目的としたものです。個別の契約については、専門家にご確認ください。